古川 保典
株式会社オキサイド
渡辺 篤司 Atsushi Watanabe
創業から約40年、梱包資材を専門に扱っている丸勝産業株式会社。
梱包資材の中でも、真空成型品の「小ロット生産」という独自の強みを発揮しています。大量在庫を抱えるリスクを避けたい企業からの需要に応え、少量でも柔軟に対応する姿勢が信頼を集めています。代表取締役の渡辺篤司さんは、「定時で帰れる働き方」を実現しながら、最新情報を積極的に取り入れ、製造業の新しいあり方を模索しています。
Q:丸勝産業株式会社について、教えてください。
A(渡辺さん):当社は梱包資材、特に真空成型によるトレイを扱っている会社です。
イメージしづらい業界かもしれませんが、いつもお話ししているのは「うちの商品を"欲しい"と思って買っているエンドユーザーさんはいない」ということなんです。欲しいのは全部「中身」なんですよ。中身が欲しいから、それを運ぶための段ボールだったり、パッケージの容器だったり、ビニール袋だったりが必要になる。中身さえ取り出してしまえば、不要なものになってしまいます。なので大量の在庫を置きたくないという要望にできる限り対応しています。
トレイは製品を入れる資材ですので、お客さんによって様々です。「このようなプラスチック成型品ができるだろうか?」設計から行っていますので、相談いただければと思います。
Q:渡辺社長ご自身が家業を継がれた経緯を教えてください。
A:高校を卒業して、一度大阪へ出ましたが、バブル崩壊で居心地が悪くなっていた時期に、父から「こっちが忙しくなったから」と呼び戻されました。そこからノウハウを覚えながら家業に携わっていました。
代表になったのは2021年です。家業ですので、血縁が継ぐのは既定路線というか、選択肢として「やるかやれるか」だけなんですよ。
先代は自分の考えを曲げない人でしたが、代替わりのタイミングは、先代が病気になった時。「もう働けない、どうするんだ」という状況で引き継ぎました。
Q:御社の強みと、現在特に力を入れていることを教えてください。
A:当社は小ロット生産を強みにしています。
大量に買って倉庫に溜めておく、それがリスクになることがあるのです。そこで少数での生産に注目しました。大量生産のところより単価は高くなりますが、「そんなに数はいらない」「在庫を置いておけないから、月に少数だけど作ってほしい」という要望に応えられるのがうちの強みですね。 少数でもお受けしていますので、ご相談ください。
そして自分が社長になって意識しているのは、残業をさせないことです。定時で帰れるように口酸っぱく言っています。
今は「休みが欲しい」「残業したくない」という時代ですから。
Q:現在の社員の方々について教えてください。
A:定年はあってないようなものですね、75歳を超えても働けます。実際定年を迎えてから10年以上当社に在籍している方もいます。
製造業は40歳、50歳までに覚えてしまえば、あとは一生働けるんです。スピードは多少遅くなっても、覚えた仕事で、確実に数を出してくれる。管理する側としては計算ができるので非常に助かります。ベテランになってくると、考えていなくても体が動くんです。ルーティンがあるから、それが崩れると自分の体調の変化にも気づける。本人は働く気満々ですが、年齢的に何かあっても困るので、時間を調整してもらっています。
Q:今後の展望について聞かせてください。
A:時代の流れが非常に速いので、取り残されないようにすることです。特に環境問題。プラスチック業界は真っ先にやり玉に上がりますが、必要な業界だと思っています。いかに最新の情報や技術に取り込むか。新しい情報を収集して取り入れるようにしています。時代についていくように精進していきます。
あとはお客さんとの信頼関係。「この製品を入れるトレイを作ってくれ」と製品を貸してもらえるような関係性を築いていきたいです。
「零細企業は受注から設計、単価交渉、製造、生産工程の管理まで、一人で全部やる機会があります。スキルを上げ磨くなら、中小零細企業に就職するのが近道だと思います。それに、働く気があるなら70歳を過ぎても現役の職人さんはたくさんいます。華やかな業界に憧れる気持ちも分かりますが、技術を身につければ強い。気の持ちよう次第でいくらでも活躍できる世界なので、中小零細の製造業は面白いよ、と言いたいですね。」
渡辺 篤司 Atsushi Watanabe
丸勝産業株式会社
2021年4月に代表取締役に就任。真空成型品の製造・設計・販売をはじめ、各種梱包資材の提供を手がける。「創造する楽しさ」を原点に、人と企業のやさしいつながりを大切にし、環境に配慮したものづくりで社会の発展に貢献している。
http://www.e-marusyo.co.jp/