環境配慮型梱包資材メーカーが描くグローバル展開への道

山梨県南アルプス市で35年という長年にわたり段ボール・紙器製造を手がける株式会社シラネパック。「他社よりも安く良い箱を」「唯一無二の製品作り」「どこよりも美しい箱を」などをスローガンに掲げ、価格とデザインの両面でお客様の満足を追求し誠実な取引をしてまいりました。さらに注目すべきは、日本で同社しか製造できない土木建築資材「パラフォーム」を30年以上にわたり日本全国の公共工事に供給し続けていることです。
2023年6月、実家の企業を継ぐ形で代表取締役社長に就任した阿部亜紀子さん。20代前半から複数の会社経営の経験を持ち、プライベートでは占い師としての顔も持つ異色の経営者は、「感じ取る力・ご縁の存在を深く信じている」と語ります。利他の精神と誠実さを経営の軸に据えながら、新たな撥水加工パラフォームの開発、そして海外に向けた新事業計画に着手。生まれ育った山梨県への恩返しと、日本の良さを世界に発信するという志を胸に、新たなステージへと歩みを進めています。

Q:会社創業の背景を教えてください。
A:1994年12月に母が創業し、創業の原点には未来の地球の環境への深い配慮がございます。段ボールはリサイクルが可能で、環境に優しい材料です。精密機械の部品から食品、日用品まで、ほとんどの商品が段ボールや化粧箱に入っています。現状、段ボールなどの紙器に代わるエコな梱包資材はないと確信し、この事業を始めたのです。

Q:阿部社長ご自身の経歴と、家業を継がれた経緯を教えてください。
A:私はこれまで、20代前半から複数の会社を立ち上げてまいりました。1999年に東京で音楽制作会社を設立し代表取締役社長に就任、2003年には宝石業やコンサルティング業を行う会社を設立し代表取締役に就任、2014年には2025年問題に向け、介護事業の会社を設立し代表取締役に就任、そして2023年6月、実家であるシラネパックの代表取締役に就任したのです。いくつもの会社を経営することになったのは、5年後10年後の未来の状況を常に見据え、感じ取る経営をした結果です。
実は、私には占い師としての顔もございます。昭和3年に設立された文部科学省所管「日本易学連合会」に所属し、1288番の資格を持っております。占いを始めたのは26歳の時でした。非常に的中する先生に出会い、お弟子さんにしていただき長年学びました。「会社を経営する上で、これは絶対に身につけておかなければならない」と直感したのです。どの時期に何をすべきか、物事を始める時期や、絶対に始めてはいけない時期などが天気予報のようにわかりますし、命名の力や社屋の家相などがわかると、発展できたり運気を強くすることができます。
神社仏閣巡りが好きだったこともあり、神事も大切にしており、先日も神在祭の時期に出雲大社へ参りました。宮司さんともお付き合いがございます。20年以上のお付き合いがある茨城の大洗磯前神社の宮司さんから車椅子の舗装にご協力いただけないかとご相談をいただき、微力ながら協力させていただきました。長年ご縁のある神社に限ってですが、お礼の心で奉仕の活動を行っております。年末年始にはご縁のあった神社仏閣に御酒の奉納も欠かしません。

誠実さと独自技術の追求

Q:現在、特に力を入れている取り組みについて教えてください。
A:第二工場で製造している「パラフォーム」という土木建築資材があります。これは段ボールに特殊なパラフィンを塗布したもので、日本で弊社しか製造できない製品です。全国の公共工事などで裏型枠として使っていただくことで、人件費の節約や工期の短縮につながっており、30年以上の実績がございます。
ただ、近年のパラフィンの価格の上昇により製品価格が上がってしまい、「工事に使いづらい」というお声をいただいておりました。そこで今年度から、新しく代替品として安価な撥水加工のパラフォームの販売も始めました。より多くの工事関係者のお役に立てればと思っております。
また、私の経営している関連企業のコンサルティング会社の協力で、海外に向けての新事業の計画も進めております。さらに、他社に負けない美しい果実箱や化粧箱のデザイン作成にも精力的に力を入れております。

Q:経営において大切にされている価値観は何でしょうか。
A:何よりも「利他の精神」と「誠実さ」を心がけております。丁寧で迅速な、気持ちの良い取引を大切にしています。お客様に満足していただける経営をすることが、私の使命だと考えております。
先ほど申し上げた占いや神社との関わりも、この誠実さにつながっています。起こることにはすべて意味がある。まさに引き寄せであり、私が山梨県を離れ東京に長い間暮らしていたにもかかわらず、ここ山梨に戻ってきた理由も、すべては点と点で結ばれているのだと感じております。
15年ほど前、大洗磯前神社の宮司さんと権宮司さんから「出雲大社へ行く会合があるが、一緒に行かないか」と誘われました。現地で出雲大社の権宮司さんを紹介され、なぜか「くにたまの会」の第一回発足会に出席することになったのです。「くにたまの会」とは全国の大国主命様(大国様)を祀っている神社の集まりでした。その神社の一覧表を拝見したところ、私がこれまでご利益を感じて足繁く通っていた神社がすべて入っていました。私は大国主命様という大きな力に守られていたのだと気づかされたのです。この時、私は独身だったのですが、出雲大社から帰って1週間後に結婚相手に出会ったのも不思議でした。
なぜ出雲大社に誘われたのか。最初は全く分かりませんでしたが、後から思えば、これは大国主命様に呼ばれたのだと感じました。そうしたご縁や直観を大切にすることが、経営においても重要だと考えております。
また、経営をするうえでの座右の銘(モットー)があります。「今日するべきことは今日中に全て終わらせる!」というのが1つ目のモットーであります。2つ目は、全てを手に入れた映画俳優のチャップリンが晩年に言った言葉で、人生に必要なものは「勇気と希望とSomeMoney!」という言葉、最後に全てを手に入れたスティーブジョブスが言った「今を一番大切に生きる!」という言葉を大切にしています。

山梨の良さを発信して世界へ

Q:新たな挑戦について教えてください。
A:これから海外へ飛び出そうと考えております。現在の為替状況を含め、日本では物が正当に評価されにくい側面があります。そこで海外の方をターゲットに、日本の良いものを集めて紹介したいのです。
私は若いころに「ミス世田谷」にも選ばれた経験があり、その経験から学んだ美的センスや感性、これまでのコンサルティングの経験を活かし、日本や山梨県にしかないものなどを選りすぐり、自社で製作した美しい箱に詰めて発信してみたいと考えております。「日本の良さを海外の方に届ける」そういう会社を作りたいのです。
これまでの10年ほどは、育児や介護事業、事業承継などで時間がいくらあっても足りない生活でした。しかし、私は本来海外が大好きですし、やっと自分の本当にやりたいことに着手できることに喜びを感じていますし、非常に楽しみなのです。いつになっても、何歳になってもチャレンジする精神があれば、新しいスタートが切れるという気持ちで、色んなことにチャレンジしていきたいです。


Q:今後の展望について教えてください。
A:日本国内だけではなく海外も視野に入れ、会社を成長・発展させていきたいと考えております。山梨県で生まれ育ち、この地に恩返しをしたい気持ちで事業を行ってまいりました。地域の皆様のお役に立てることが、私の何よりの喜びです。
その上で、山梨の良さ、日本の良さを世界に伝えていく。それが日本人として生まれ育った私の新たな使命だと感じております。誠実さを第一に持って、日本にとどまらず海外に向けての事業を展開していきたいという決意を胸に、これからも一度しかない人生を目一杯頑張って歩んでまいります。

チャンスを掴む前向きな姿勢を

よく自分の子供にも伝えていることですが、「考えが言動となり、言動は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」ということで、毎日の積み重ねが結果になります。
また、私が若かった頃よりも、今の時代の方がチャレンジする幅は格段に広がっていると感じます。私の息子達も小学生でYouTobeチャンネルを持っていますが、YouTubeをはじめ、現在は自分を発信する場所がいくらでもあります。ですから、どんどんチャレンジして大きなチャンスを掴んでいただきたいと思います。
チャンスを掴むには、前向きな言葉や気持ちが必要です。また「ありがとう」などの前向きでよい言葉をたくさん使うと、良いことがおこり運が強くなります。私は嫌なことが起こっても、失敗も「チャンスかも」と考えられる人です。「チャンスの女神は前髪しかない」という歌がありますが、後ろを向いていては、好機が来ても気づくことができません。地球温暖化などの将来への諸問題もありますが、何をするにも明るく前を向いていれば、チャンスは必ず見えます。アンテナを高くし、見えたら掴む、それを繰り返して運を強くしてほしいのです。「あの人は運がいい」と言われる人がいますが、そうではありません。たまたま来た運を見逃さずに掴んだだけなのです。誰にでも強運になるチャンスや素晴らしい人生になるチャンスがあるのです。

Profile

阿部 亜紀子 Akiko Abe

株式会社シラネパック

山梨県出身。1999年に東京で音楽制作会社を設立し代表取締役社長に就任。2003年に宝石業やコンサルティング業を行う会社を設立し代表取締役社長に就任、2014年に2025年問題に向け介護事業の会社を設立し代表取締役社長に就任、複数の会社経営を通じてコンサルティング経験を積む。文部科学省所管「日本易学連合会」に所属する占い師としての顔も持ち、占い師名は「東條王星」。2023年6月、実家である株式会社シラネパックの代表取締役に就任。「利他の精神」と「誠実さ」と「唯一無二の製品作り」を経営の軸に据え、環境配慮型の梱包資材製造と独自技術を活かした土木建築資材の供給を通じて、地域社会に貢献。現在は海外展開を見据え、日本の良さを世界に発信する新事業に着手している。

https://siranepake.co.jp/

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