長澤 重俊
株式会社はくばく
広報部 Kikyouya RR Department
明治22年創業、130年以上の歴史を持つ山梨を代表する老舗菓子企業・桔梗屋。「桔梗信玄餅」を核に、製菓業の枠を超えて観光施設の指定管理、農業、ブライダルまで多角的に事業を展開し、地域経済のモデルケースとして注目を集めています。広報部の皆さんは、130年以上続く企業の歴史と、日々進化し続ける現場の"今"を社内外へ伝える役割を担いながら、ブランドと地域、そして人をつなぐ最前線に立っています。工場見学や詰め放題といった体験型の取り組み、環境に配慮した容器まで食べられる商品開発など、「お客様を飽きさせない」という企業理念のもと、常に新しい価値の創造に挑戦し続けています。
Q:桔梗屋のこれまでの道のりについて教えてください。
A:桔梗屋は、明治22年に山梨で菓子店として創業して以来、130年以上にわたって地域とともに歩んできました。長い歴史の中で、戦争や社会の変化、嗜好の移り変わりなど、決して平坦ではない時代をいくつも経験してきた会社だと思います。
転機の一つは、昭和43年に誕生した「桔梗信玄餅」です。山梨らしさをどう形にするかを突き詰め、味だけでなく、風呂敷を開く所作や黒蜜をかける体験まで含めて商品として成立させた。この発想が、その後の桔梗屋の考え方の土台になっていると感じます。
さらに平成以降は、製菓業の枠にとどまらず、工場見学や詰め放題といった体験型の取り組み、農業や観光施設の運営などへと事業を広げてきました。一見すると大胆な展開ですが、根底にあるのは「お客様を飽きさせないこと」「地域の価値をどう生かすか」という一貫した視点です。老舗でありながら、同じ形に安住しない。守るべきものを大切にしながら、時代に合わせて表現を変えてきた。その積み重ねが、今の桔梗屋につながっているのだと思います。
Q:現在、特に力を入れている事業や取り組みについて教えてください。
A:桔梗屋の取り組みで特徴的なのは、「商品そのもの」だけでなく、「体験として記憶に残る形」にまで広げている点だと思います。
代表的なのは、やはり本社工場で行っている桔梗信玄餅の詰め放題です。価格だけを見ると驚かれることも多いのですが、単なる割引イベントではなく、「どう詰めるか」「どこまで入るか」といった楽しさも含めて一つの体験になっています。行列に並ぶ時間や、家族や友人と相談しながら袋に詰める時間まで含めて、思い出として持ち帰っていただいている企画だと感じています。
容器まで食べられる商品「桔梗信玄餅 極」は、50年前のお客様の声を実現させ、フタもカップも食べることができます。
あくまでお客様に喜んでいただきたいという思いで開発した商品ですが、結果的に包装資材の削減や、環境対策につながるとしてメディアにも注目され、各日完売するほど大きな反響を呼びました。また、工場見学や包装体験なども、長く続けている取り組みです。機械化が進む中でも、桔梗信玄餅の風呂敷は今でも手作業で包装し続けています。
桔梗信玄餅を売り出したとき桔梗信玄餅の形態のお菓子はどこにもありませんでした。
いちいち風呂敷をほどいて食べるお菓子はめんどくさい、売れるはずがないという評判も多かったです。しかし今でも売り上げが伸びており、お客様に喜ばれている、
「日本文化の象徴である風呂敷を包装に取り入れてくれてうれしかった」「風呂敷をほどくドキドキ感がたまらない」「遊びごごろのあるお菓子をよくぞ開発してくれた」という声もたくさんいただきました。
「コストのかかる作業だ」「包装する機械も買えるだろう」というアドバイスをいただいたこともあるが、風呂敷を手作業で包装し続けることは譲れません。売り出したときのお客様の声も大事にしてます。
また私たちは、企業の責務として環境対策に努めています。味や品質に問題がなくても、お客様に完全な製品をお届けするために、工場での仕損じや配送中の破損などには厳しい基準を設けています。しかしながら、「おいしく食べられる」お菓子が『包装に失敗した』という理由などで規格外として破棄されるのはもったいないという思いもあり、無駄を出さない努力をしよう、という考えのもと『社員特価販売1/2』(一般のお客様にもご利用いただける工場アウトレット)のコンセプトが生まれました。
平成22年には、県内の休耕農業地を活用して飲食部門やお菓子部門に自社農園の野菜を取り入れようという試みから農業法人「ハイジの野菜畑」が誕生しました。
環境への取り組みにも力を入れています。
Q:経営の中で、大切にしている価値観や「桔梗屋らしさ」はどのような点でしょうか。
A:「地球上でもっともお客様を飽きさせない企業であること」
伝統や、既存の価値観を大切にしながらも、常に新しい視点、切り口でお客様を「あっ」と驚かせる場であること。それが私たち桔梗屋の目指すものです。
私たちは、ひとりひとりが桔梗屋の『顔』であるという自覚をもち、お客様に最高のショッピング体験をしていただくため、進化し続けています。
お客様は、本物の価値、嘘偽りない味わい、さりげない健康への配慮、日常の生活でのちょっとした新鮮な驚きを求めています。モノが豊富な時代になったからこそ、お客様の求めるものは「目に見えるものーモノや価値」から目に見えないものーモノがもたらしてくれる体験や価値」へと変わっています。
桔梗信玄餅は発売以来一つ一つ女性の手で包まれてきました。素朴ながらも真摯な菓子作りへのこだわりと、本物の味への飽くなき追求によって、多くの人に支持されてきました。さらなる美味しさ、楽しさ、美しさ、品質と健康、そしてサービス体験の向上を目指しています。
Q:桔梗屋は菓子事業以外にも様々な取り組みをされていますね。
A:桔梗屋は山梨を代表する銘菓「桔梗信玄餅」の製造・販売を中心に、直営店である「桔梗屋東治郎」では創作菓子、「黒蜜庵」では黒蜜にこだわったお菓子を販売しており、令和3年には洋菓子ブランド「Rond.(ロン)」も立ち上げました。
さらに指定管理者として「ハイジの村」「富士湧水の里水族館」「清里丘の公園」など、山梨県内の施設の管理運営も行っています。ブライダル事業では、小規模でアットホームなブライダルからフォトウェディングにも対応可能な施設を展開しております。
その他にもレストランや惣菜・弁当店、自社農園「ハイジの野菜畑」の設立、中央自動車道上り線釈迦堂PAの運営など、菓子事業にとどまらずさまざまな事業に挑戦し続けているのが弊社の特徴です。
これらすべてに共通しているのは、「お客様に楽しんでいただく」「地域の価値を活かす」という視点です。一見バラバラに見える事業も、実は桔梗屋の理念でつながっているんです。
Q:本社工場を笛吹市一宮町に移されたと伺いました。
A:はい、製造工程を公開し「食の安心」をお届けしたいと開かれた工場を目指し、本社工場を平成2年に笛吹市一宮町に移しました。
工場のある笛吹市一宮町は、一宮御坂インターチェンジが近くアクセスが良いため、観光客も立ち寄りやすい場所であると同時に、県内外へ出荷するための物流の拠点としても利便性の高い場所です。桃源郷と森林公園金川の森にほど近い、自然に囲まれた環境の中にあります。この工場から、四季折々の風情を生かした創作和菓子が続々と生まれています。
私たちは、地域に密着した店づくりを常に目指しています。
皆様にお召あがりいただいているお菓子はどのように作られているのか、普段なかなか知ることができない工場内の様子を見ていただき、当社の想いを知っていただきたく、積極的に工場見学をお受けしています。
Q:これからの桔梗屋は、どのような形になっていきますか。
A:山梨のお客さんに認めてもらい「これが山梨の銘菓」と誇りにしてもらえるお菓子を作り続け、他県のお客様からも「山梨といえばあのお菓子だよね」と言ってもらえるよう努力してまいります。
桔梗信玄餅のコラボ信玄袋など様々な企業とコラボレーションした商品も発売しており、常にお客様を飽きさせない「美味しさ」「美しさ」「楽しさ」そして「健康」を追求し進化し続けていきます。
社会に出ると、正解が一つではない場面にたくさん出会うと思います。最初から「これがやりたい」とはっきり決まっていなくても、焦る必要はないのではないでしょうか。目の前の仕事に向き合いながら、自分なりに感じることや学ぶことを少しずつ積み重ねていくことが大切だと思います。
桔梗屋の中で仕事をしていて感じるのは、小さな役割であっても、必ず誰かの手元につながっているということです。自分の仕事が、どこかで誰かの一日や気持ちに関わっている。その実感を持てると、仕事への向き合い方も少し変わってくる気がします。
私たちは「おいしさ、楽しさ、美しさ、そして健康」という経営理念のもと、様々な事業を展開しています。皆さんも失敗を恐れず自分の信念をもって積極的に多くのことにチャレンジしてください。
失敗や遠回りも含めて、すぐに意味が分からない経験が、後から役に立つことも多いです。無理に背伸びをせず、自分のペースで、目の前のことを大切にしてほしいですね。そうした積み重ねが、きっと将来の自分を支えてくれると思います。皆さんのご活躍をお祈りしています。
風呂敷に包まれた桔梗信玄餅の向こう側に、きな粉を焙煎する香りや、黒蜜を炊く手間、工場で一つひとつ結ばれていく結び目の手つきが見えてくる。内田さんの言葉からは、そうした「見えない手仕事」を大切にする姿勢が伝わってきました。
明治の小さな菓子店から始まり、いまでは工場テーマパークや詰め放題、農業や施設運営へと広がっていく桔梗屋。その真ん中にあるのは、伝統を守ることと同じくらい、「お客様を飽きさせない」工夫を続けていくという思いです。
旅の途中で立ち寄って、家に帰ってふと開ける包み。いつもの日常に、少しだけ嬉しい時間が増える。そんな一瞬のために、桔梗屋はこれからも山梨の景色とともに、新しい驚きとおいしさをつくり続けていきます。
広報部 Kikyouya RR Department
株式会社桔梗屋
明治22年創業、130年以上の歴史を持つ山梨を代表する菓子企業。「桔梗信玄餅」を核に、製菓事業のほか、観光施設の指定管理、農業、ブライダル事業など多角的に展開。「地球上でもっともお客様を飽きさせない企業であること」という企業理念のもと、常に新しい価値の創造に挑戦し続けている。広報部は企業の歴史と現在進行形の取り組みを社内外に伝え、ブランドと地域、人をつなぐ役割を担う。
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