山梨県上野原市。県の最東端に位置し、東京に最も近いこの街からわずかチーム創設2年で世界を制した3x3バスケットボールチームが生まれました。その名は「上野原サンライズ」。
今回は株式会社山梨プロスポーツオフィスの代表取締役社長 小俣順也氏にお話を伺う中で音楽・エンターテインメント業界出身という異色の経歴を持つ小俣氏が、なぜ故郷・上野原でスポーツチームを立ち上げ、いかにして世界一のタイトルを掴み取ったのか。その軌跡と、地域活性化にかける熱い想いに迫ります。

故郷・上野原から「一番早い日の出」を

Q:株式会社山梨プロスポーツオフィス、そして「上野原サンライズ」設立の経緯についてお聞かせください。
A:最大の目的は、私たちが生まれ育った地元・上野原市を活性化させることです 。
私と共に立ち上げた会長の立川は、二人とも上野原出身です 。幼少期から同じ景色を見て育ち、実は当時の同級生たちが現在は地元で家業をしていたりしているため心強いです。そうした「地元」の縁や繋がりがある中で、自分たちが培ってきた経験を還元し、故郷に貢献したいという想いが合致して起業に至りました 。

Q:「サンライズ」というチーム名には、どのような意味が込められているのでしょうか。
A:上野原市は山梨県の中で一番東に位置しています。つまり、山梨県で「一番早く日が昇る場所」なんです。そこから「サンライズ」と名付けました。一般公募でいただいた中から選ばせていただいた名前なのですが我々の活動拠点とビジョンを象徴する、非常に素晴らしいネーミングだと思っています。

参入初年度で掴んだ「世界一」の栄冠

Q:チーム発足からまだ日は浅いですが女子チームの活躍が目覚ましいと伺いました。
A:おかげさまで驚くべき成果を残すことができました。女子チームは2025年度が参入初年度だったのですが国内のプレミアリーグで優勝を果たし、さらにレッドブルが主催する世界大会(Red Bull Half Court)でも優勝、つまり世界一になることができました 。
また、国内メジャー大会の一つである「3x3 Spreads Game」でも優勝しています。本当に選手たちが素晴らしい頑張りを見せてくれました。

Q:初年度から世界一とは快挙ですね。男子チームの方はいかがでしょうか。
A:男子チームについては、プロリーグ(3x3.EXE PREMIER)に参入していますが、実力的にはまだこれからの段階です 。ただ、3x3という競技自体が非常にエキサイティングで、我々のチームも着実に力をつけてきています。今後は男子も国内トップリーグ、そして世界を目指して強化を進めていきたいと考えています 。

エンタメ業界の経験をスポーツへ

Q:小俣社長は以前に音楽・エンターテインメント業界にいらしたそうですね。
A:大学卒業後、オリコンやエイベックスといった音楽・エンタメ企業に在籍していました 。その後、M GROUP HOLDING AND CAPITALグループの会社を経て現在に至りますが、エンターテインメントの世界で培った「人を楽しませる」「魅せる」という視点は、今のスポーツビジネスにも活きていると感じます。
特に3x3は、DJが音楽を回しMCが会場を煽るようなストリートカルチャーや音楽との親和性が非常に高いスポーツです。私のバックグラウンドともリンクする部分が多く、非常にやりがいを感じています。

Q:他にもイベント運営などにも力を入れているとお聞きしました。
A:チーム運営だけでなく、スポーツ教室やイベントの企画・運営も行っています 。
特に子供向けのバスケットボール教室を兼ねたイベントも実施いたしました。地元・上野原だけでなく、近隣からも子供たちが参加してくれました。また、イベント興行というのはチームにとって重要な収益の柱でもあります。グッズ販売、スポンサー収入、そして自社でのイベント興行。この3本柱をしっかりと確立させることが持続可能なチーム運営には不可欠だと考えています。

地域密着ならではのスピード感と責任

Q:地元・上野原での活動で、地域ならではのエピソードはありますか。
A:やはり行政や地域の方々との距離が近いことは大きな強みです。
地元に多くの同級生がいるような環境ですので「こういうことをやりたい」と相談した時のレスポンスや決断が非常に早いんです。「じゃあやろう!」と即決していただけることも多く、これは地元出身ならではのメリットだと感じています。
一方で、地域が狭い分、何か不手際があればすぐに噂が広まってしまうという怖さもあります 。昔から我々を知ってくれているからこそ、信頼を裏切らないように誠実な運営を心がけています。関わってくださるすべての方々が良い方向に向かえるような、そんな存

前人未到の「男女アベック優勝」と地域が集う拠点の創出

Q:今後の具体的な目標やロードマップについて教えてください。
A: 競技面での最大の目標は3x3界隈でも前例のない「男女アベックでの優勝・世界一」です。 昨年、女子チームは参入初年度で国内リーグと世界大会を制することができましたが、まだ男子チームは道半ばです。3x3の業界において男女両方のチームが頂点に立った例はまだないそうです。 だからこそまずは女子の連覇、そして男子の初優勝を達成し我々がその「史上初」の称号を上野原に持ち帰りたいと考えています。
また、将来的には3人制だけでなく5人制バスケットボールのプロリーグである「Bリーグ」への参入も視野に入れて構想を練っています。活動の幅を広げることでより多くの夢を地域に届けられると信じています。

「点から線へ繋げる」次なるステージへ

A:座右の銘は「大変なことほど楽しめ」。私自身かつてエンタメ業界へ積極的に飛び込み様々なことを経験いたしました。しかし、そこで生まれた出会いや行動した事実という「点」が時を経て教育、そして今のスポーツ事業という「線」になって今の私を支えています。
だからこそ伝えたいのは、恐れずに飛び込む大切さです。すぐに結果が出なくとも、その経験は必ず将来の糧になります。私たちも上野原から「地方から世界へ」を証明し続けます。皆さんも失敗を恐れず、やりたいことを言葉にして行動に移していってください。

Profile

小俣 順也 Junya Komata

株式会社山梨プロスポーツオフィス

代表取締役社長

1976年4月9日生まれ、山梨県上野原市出身 1999年に州立ハワイ大学を卒業後、オリコン株式会社に入社 。 2005年にエイベックス株式会社へ入社し、長年にわたり音楽・エンターテインメント業界の最前線でキャリアを積む。その後、ネットプライス株式会社、M GROUP HOLDING AND CAPITALを経て、2023年12月に同郷の立川氏と共に株式会社山梨プロスポーツオフィスを設立し、代表取締役社長に就任。

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